ミケランジェロ「最後の審判」のおはなし

今回はみんな大好き、

システィーナ礼拝堂の祭壇に描かれたミケランジェロの代表作

最後の審判

についてです。 

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(写真撮影は禁止されていたため、お借りした画像です。)

 

最後の審判』は

「マタイの福音書」の中の最後の審判を主題としています。

中央のキリストが人々を地獄・天国へと振り分けている様子ですね。

 

ミケランジェロは、

ダンテの「神曲」地獄篇からインスピレーションを受けたとされています。

神曲」のリアリティや圧倒的なスケールの世界感は、当時の人々には大きな衝撃だったのだと思います。

 

ここでダンテとミケランジェロの生誕・没年を。

 

・ダンテ・アリギエーリ(1265年 - 1321年9月14日)

ミケランジェロ(1475年3月6日 - 1564年2月18日)

 

2人は同じルネサンス期の人ですが、

生きた時代はけっこう違っているんです。

そして神曲」から「最後の審判」が描かれるまで約200年ほどの時が経っている!

数百年前の小説にインスピレーションを受けるとは・・

それだけ「神曲」の影響は、大きかったんでしょうね。

 

神曲を読んでから最後の審判を見ると、より絵からスケールが広がってきます。

右下の地獄で船から人を叩き落としているのは”カロン”です。

舟から降りた人々は冥界の裁判官"ミノス"によって地獄の行き先を振り分けられます。

さてどんな地獄が待ち受けているのでしょうか・・?

・・神曲を読んでみたくなりましたか^^?

 

 

話は変わりますが、、

私はルネサンス期の画家の中でミケランジェロが断トツに好きです。

ミケランジェロの描く、

ちょっとオーバーなぐらいの肉肉しい表現に美しさを感じます(´艸`*)

以前、ヤマザキマリさんの著書で面白い箇所がありました。

理想的な身体美を追い求めているのは分かりますが、結果的にでき上ったものが、少しも「人間」的ではない。ミケランジェロの想像が生んだ「人間によく似たクリーチャー(怪物)のようにみえるのです。

そう、怪物のごとき人間!

でもまったく人間的でなくていいんです。

ムキムキの金剛力士像に惹かれるようなもんですから。

 

 

ヤマザキマリさんはテルマエ・ロマエの作者としても有名です。

小難しい美術論は眠くなってしまうところですが・・

ヤマザキさん流の解説が面白くイタリア旅行前に読んでおいてよかった一冊です。

 

最後に・・

最後の審判』は個人的に一番見ておくべき絵だと感じました。

実物のスケールはとにかくすごい!

そしてミケランジェロは偉大すぎる!